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「Backlogをどのように浸透させるか」に悩むユーザーに向け、Backlogのヘビーユーザーたちがアドバイス。今回は地道な努力で利用促進を図るパシフィコ横浜の松原正和氏、新入社員の研修にタスク管理やBacklogを取り込んでいるデジタルキューブの恩田淳子氏に話を聞いた(以下、敬称略)。
きっかけはコロナ禍 パシフィコ横浜でのBacklog導入
大谷:まずは松原さんに、会社紹介と自己紹介をお願いします。
松原:パシフィコ横浜(株式会社横浜国際平和会議場)の松原と申します。基本的にはMICE施設の運営という事業でして、コンサートから展示会、国際会議までさまざまな用途でご利用いただいています。私は完全に裏方で、IT関連の仕事から施設外の地域連携業務のほか、誰も拾わないような雑多な業務までいろいろ担当しています。パシフィコ横浜自体には長く勤めており、次の5月で7年目になりますね。
大谷:続いてBacklog導入の経緯を教えてください。
松原:ユーザーとしてはかなり古株で、2010年頃から使っています。個人的に必須ツールだと思っていたので、パシフィコ横浜に入って以降も、会社で使うかどうかは別として、個人で使っていました。ただ、「会社で使えたら良いのに」と思うシーンが増えてきて、社内で普及活動を続けてきた結果、今ではチームメンバーで使い始めて浸透しつつあります。
大谷:導入する以前はどうだったんでしょうか?
松原:タスク管理ツール以前の課題として、そもそもタスク管理の概念があまり浸透していませんでした。個人事業主のように属人化したケースが多く、各自が今日どんな仕事をしているのかわからない状態だったり……。
そんな中、ターニングポイントとしてコロナ禍がありました。以前は、私が1人でBacklogを使っていたのですが、コロナ禍で在宅勤務になった時に、Backlogのようなタスク管理ツールあると可視化できてよいねということになり、チームで導入が進みました。
大谷:Backlog導入のメリットは在宅勤務やリモートワークだとお話ししていますね(関連サイト:運用コストを40分の1に削減した、大規模WebリニューアルプロジェクトにBacklogを活用)。
松原:はい。在宅勤務とBacklogの相性は非常に良いと思っています。前職でもBacklogを使っていたのですが、在宅でも新規プロジェクトが問題なく進みました。育休を取得し、家での仕事を増やさせてもらっても、新規プロジェクトはきれいに回りました。このときに、在宅勤務にこんなにマッチするツールはないぞと思いました。
その後、コロナ禍でみんなが在宅になった時も、Backlogを使ったことで、チームで仕事をしている一体感が得られました。コロナ禍前は、家で仕事しながらチーム感を醸成するなんて無理だろうと思っていたのですが、やってみたらけっこうできました。
大谷:チーム感が醸成できたんですね。
松原:タイムラインで誰かがタスクのステータスを更新してくれれば、みんなお仕事しているんだなという一体感は出ますし、Backlogならではのスターの送り合いができると、チームでやっている感を得られます。要は孤独にならずに仕事できたなあという感想です。
ただ、Backlogのようなツールを活用すれば、在宅勤務でも出社と変わらない仕事ができますし、みんなが働きやすい会社にしていくためにも、リモートワークをしやすい環境をつくっていきたいです。
チームへの依頼をBacklogに統一 スピーディに対応することでユーザーに認知
大谷:コロナ禍が明けて以降、Backlogの社内浸透に向けてはどんな工夫をしましたか?
松原:この1年やったのは、課題管理というより、私のチームへの依頼をBacklogで投げてもらうというやり方ですね。細かい運用ルールはまだ定めておらず、1年間は可視化とキャッチボールに慣れてもらうだけにしました。
大谷:使い慣れていない方が多い中、大変だったんじゃないですか?
松原:スケジュールが厳しかったり、情報が不足しているような依頼の仕方でも、ひたすら受け止めました(笑)。一方で、SlackやDMで投げてくるメンバーの依頼は後回しにして、Backlogでの依頼を優先しました。「Backlogで松原さんに依頼を投げると、早くやってくれる」ということを認識してもらおうと思い、半分意図的に対応の落差を付けました。
大谷:「同じ依頼なのに対応違うなんて」という声もあるかもしれませんが、松原さんとしては「Backlogで依頼投げてくださいね」とお願いしているわけですからね。
松原:だから、「さすがに直前過ぎるだろう」という依頼も、Backlogでの依頼はなんとかさばいてきました。本当にやばいときでも、Backlogで丁寧に指示すれば、スピーディかつ正確に対応してもらえるという体験は社員もできたのではないかと思います。
大谷:ユーザーに成功体験を積んでもらったんですね。
松原:現在は、私のチームに向けての依頼なので、社内のITやWeb関連だけになりますが、やり始めてちょうど1年が経ち、口頭での依頼やDMはほぼなくなりました。使い方も慣れてきたので、「そろそろみなさんで使ってみませんか?」というアピールを強めていこうかなと考えています。今年度終わったら、1年間の結果を踏まえて、改めてルールを定める予定です。
タスク管理とは? Backlogでの仕事とは? から説明するオンボーディング資料
大谷:続いて2回目の取材となるデジタルキューブの恩田さん。自己紹介と会社紹介、Backlogとの関わりに関しては以前の記事を読んでいただくとして、松原さんがおっしゃっていたルールみたいなオンボーディング資料があるということなので、教えてください。
恩田:はい。オンボーディング資料はフルリモートワーク前提のデジタルキューブに入社する際の研修で使う資料で、この中にBacklogを使う意義や使い方などが載っています。現在はコアバリュー編と仕事の進め方と関連ツール編の2つで構成されており、新入社員に対しては、この資料を元に合宿形式でプレゼンと実践が行なわれます。
コアバリュー編では「働く環境」「チームで戦う」「タスク管理」「学び続ける」などを取り上げています。こちらはフルリモートで業務を進める中での行動指針みたいなもの。気軽に声をかけられる環境をチャットで実現していますよとか、対面やチームワークを重視していますといった話の中で「タスク管理」の概念を説明しています。
タスク管理では、チームで成果を出すことを意識し、「期限関係なく、完璧なアウトプットを目指す」のではなく、「未完成でも決められた時間でパス回ししてアウトプットする」ことを推奨しています。
大谷:まずはタスク管理やチームワークの意義を説明しているんですね。
恩田:はい。もう1つの仕事の進め方と関連ツール編は、実際のツールの使い方を紹介する資料で、「コミュニケーション」「タスク管理」「会議・カレンダー」の3つを紹介しています。
まずはコミュニケーションでは、オンラインでも相手に確実に伝わるように、「誰がいつ見てもわかるようにする」とか、「自動翻訳で英語を通じて英語にしても確実に伝わるように」とか、「その情報を見て、誰がいつなにをすればいいか次の人にわかるようにする」といったことを説明しています。
大谷:当たり前ですけど、できない人が多いですよね。
恩田:あとはコミュニケーションにおけるツールの使い分けです。デジタルキューブでは、メールとしてGmail、問い合わせ対応にHubSpotとIntercomを使っていますが、メインではチャットとBacklogを使っています。カジュアルな話やアイデア出しはチャットツール、タスクとして進める場合はBacklogという使い分けです。
こちらでも「基本的にはフルリモートワーク下で仕事を進めやすいように、仕事をタスク単位で管理しています」と説明しています。タスクについては「仕事を構成する小さな仕事や作業のかたまり」と定義。タスクとして管理することで、適切な時間管理が可能になり、誰が、いつ、なんの仕事をやっているかわかりやすくなり、パス回しや記録を追うのも簡単になり、そのためのツールがBacklogです。
「人を知る、己を知る、場を知る」を理解してもらう
大谷:資料を見ると、タスクという概念とBacklogでの運用についてけっこう細かく書かれていますね。
恩田:タスクには必ず開始と完了があり、なんらかのアウトプットがあります。仕事が発生したら、まずはBacklogに課題として登録し、「誰が」「なぜ」「いつ」「なにを」「どのようにして」「どうするのか?」をクリアにしながら仕事を進めてもらいます。基本は1トピックにつき、1課題。細かすぎず、粗すぎず、進めやすい粒度を探るという話もここでやっていますね。
大谷:ここで「Backlogにない仕事は仕事として存在しない」という名言が出てくるわけですね。
恩田:はい。あとは合宿形式なので、ひたすら実践です。当然Backlogも、ダッシュボードや個人設定、課題一覧を見たり、検索してみたり、課題の登録や編集、コメント、ステータス変更なども実践です。
大谷:けっこう細かくやるんですね。
恩田:いざリモートワークになると、細かい使い方って教える機会がなくなるんですよ。なので、一通りできるように説明します。
大谷:操作手順を説明したマニュアルと違って、「なぜこれをやるのか」というのが明確に書かれているところが面白いですね。
恩田:なぜやらなければいけないのかは、必ず伝えるべきだと思っています。日々のみんなの行動が会社の文化になると思っているのですが、腹落ちしないものは行動できないじゃないですか。まずは腹落ちしてもらい、会社がどのような場なのかを理解してもらうことは意識しています。
あと、「人を知る、己を知る、場を知る」を私も大事にしています。チームで働くにあたって、チームでいっしょに働くメンバーがどんな人なのか、なにが好きでなにが得意なのかの相互理解に加え、他人と比べたときに自分はどういった特性があるのかという自己理解。あとはこの会社がどんなルールやカルチャーなのかという場の理解ですね。どういう場なのかを説明するために、こういった資料が必要になると思っています。
日本の会社は新人研修にタスク管理を組み込むべき
大谷:いいですね。このオンボーディング資料を自社で使いたいという声もあるみたいです。たとえば、「時間はコストだと思え」って、ビジネス書を読んで自ら学ぶことはあるけど、社会人として学ぶことはあまりないですよね。松原さん、恩田さんの取り組みはどうですか?
松原:入社時の研修に仕事のやり方、タスク管理、Backlogの使い方までが組み込まれているというのが、とにかく大正解だと思います。入社した段階で、「ここはこういう世界なんですよ」という刷り込みをしてしまうわけです。
だから、大きな話をしてしまうと、日本の会社はすべて新人研修にタスク管理を組み込むべきではとないかと思っています。概念もツールも知らずに育ってしまうと、一人ひとりが仕事を共有するという意識を持たなくなります。いったんこうなると、なかなか是正するのは難しいというのが感想ですね。できるだけ早いうちに刷り込んだ方がよい。
大谷:なんか、なるべく若いうちにやった方がよいって、歯の矯正みたいな話ですよね。
松原:まさにそうです。BacklogのようなITツールは、若い人ほどすぐに使いこなせると思います。報告もいらないし、Backlogを見れば分かるようになると考えています。若手が入社間もないうちからBacklogを使うと、チーム全体の仕事量を把握でき、若手に権限を与えることで、上の人もちゃんと管理するようになります。
自分の半生で一番Backlogがきれいに回っていた前職のときは、まさにそれをやっていて、新卒でうちのチームに入ってきたメンバーには、最初に「仕事はチームでやるものだから、タスク管理と可視化が大事」、「タスク管理はBacklogというツールを使うよ」と教え込んでいました。そうすると、なんの問題もなく、疑問を挟むことなく、きれいに使いこなしてくれます。最初から苦労がなかった。
恩田:思い返せば、私も社会人一年目のときにタスク管理やBacklogを刷り込まれました。
松原:だから、僕が人事だったら、速攻で研修に入れますね(笑)。
後半に続く